ホワイトハンズ大学 


 序章:脳卒中と片麻痺の要介護者の基本情報

1.脳卒中とは、どのような病気なのですか?


脳卒中とは、「突然起こる、脳血管障害」のことを指します。

患者数は、全国で約200〜250万人で、日本人の死因としては、がんと心臓病に次ぐ、第三位です。

寝たきりの要介護者の約4割、訪問看護サービス利用者の約4割が脳卒中患者であり、

国民の医療費の約1割=1兆8千億円が、1年間に脳卒中のために使われている、とされています。


脳の血管が「詰まる」ことによって起こる脳卒中は、「脳梗塞」と呼ばれます。

脳の血管が「切れる」ことによって起こる脳卒中は、

脳の内部で出血する場合には「脳出血(脳内出血)」、

脳の表面で出血する場合には「くも膜下出血」と呼びます。


脳卒中の発作は、ある日突然に起こりますが、これは決して事故ではなく、

高血圧や糖尿病、喫煙や肥満、生活習慣病などが原因になって起こります。

これらの危険因子を改善することで、脳卒中の発症リスクを減らすことが可能です。


2.どのような症状があらわれるのですか?


脳卒中の症状として最も多いのは、「片麻痺(へんまひ)」です。

脳卒中が起きた脳の反対側に起こるのが特徴で、多くの場合、顔面の麻痺を伴う、

右半身もしくは左半身の麻痺となってあらわれます。

足よりも、腕に麻痺が強くあらわれ、指を動かすことや、手を握ることが困難になります。


その他、体に触られている感覚が鈍くなる「感覚障害」、

構音障害や失語症といった「言語障害」、モノが2つにみえてしまう複視などの「視力障害」、

空間の半分が見えなくなってしまう「空間失認」、そして「意識障害」が起こることもあります。


3.片麻痺を治療で回復させることは、可能なのですか?


現在の理学療法や作業療法では、一度脳卒中の後遺症で片麻痺になってしまった場合、

片麻痺自体を回復させることは、ほとんどできません。


そのため、「片麻痺の治療・回復」ではなく、「能力低下の予防・改善」

=「麻痺のない側の腕を使って、日常生活に必要な動作をするための訓練」に、

リハビリの主眼が置かれることになります。


4.右麻痺と左麻痺で、症状に違いはあるのですか?


右麻痺の場合、失語症(=頭では分かっているのに、言葉にすることができない障害)を伴うことが多いです。

左麻痺の場合、性格変容(=自己中心的になる、感情的になる)が起こる場合が多いとされています。


5.麻痺の程度(重さ)に関する分類基準はあるのですか?


手足の麻痺の段階を、それぞれ6段階に分けて評価する

「ブルンストロームのステージ」というものがあります。

@手(上肢)の麻痺のステージ:


ステージT:【弛緩期】・・・麻痺した手が、ブラブラして、まったく動かない

ステージU:【痙性期】・・・くしゃみなど、何かの拍子で勝手に動いてしまう

ステージV:【共同運動】・・・麻痺した手を動かそうとすると、他の全ての筋肉が一緒に動いてしまう

       【伸筋共同運動】・・・麻痺した手を伸ばす動きができる

ステージW:【分離動作】・・・共同運動から分離した動きができる

ステージX:【高度な分離動作】・・・麻痺した腕を、頭の上まであげられる

ステージY:【ほぼ正常】・・・麻痺した手で、食事をしたり、字を書いたりできる



A足(下肢)の麻痺のステージ:


ステージT〜U:自力移動不可。下肢で自分の体重を支えられない

ステージV:長下肢装具+杖で歩行可能。長距離移動は車イス

ステージW:短下肢装具(足首)+杖で歩行可能

ステージX:杖のみで歩行可能

ステージY:杖無しでも歩行可能



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