ホワイトハンズ大学 


 オランダにおける「障害者の性」の歴史と現状

オランダでは、2000年に売春業が完全に合法化された。

セックスワーカーは、自らの意思でこの職業を選んだ「自営業者」として、税金を納め、医療保険にも加入している。

障害者が性的なサービスを受ける場合に、医療保険の適用を認めている自治体もある。


オランダには、2009年現在、障害者向けの性サービスを仲介する団体は、3つ存在している。


1.選択的な人間関係財団(SAR)


1982年10月に、レーネ・フェルクートによって設立された「選択的な人間関係財団(SAR)」は、

アムステルダム南のザイスト市郊外にあり、男女合わせて15人のサービス提供者が、

施設や自宅での有償セックス・サービスを提供している(2009年時点)。

主な活動範囲は、オランダ、ベルギー、ドイツの国境近郊。

⇒SARホームページ(http://www.stichtingsar.nl/


活動理念は、「私たちは石ではない。どんな重い障害でも、性的欲求はある」。


サービス料金は、85ユーロ(交通費込み)。ホテルを利用する場合の費用は、利用者負担になる。

サービスに関する説明(オリエンテーション)のみの訪問は、25ユーロになる(いずれも2009年時点)。

小規模性と非営利性を前面に掲げており、積極的な広告宣伝活動は行っていない。

ボランティア中心の運営のため、問い合わせの電話に満足に出られないケースもあるようだ。

メールアドレスも公開しておらず、電話もしくは手紙で連絡を取るように指示がある。


サービス提供者として働きたい人からの応募は多いらしく、ホームページ上では

「あなたを失望させることもあります」と、採用基準の厳しさをにおわせる文言もある。


SARでは、サービスの費用の一部を自治体に負担してもらうために、

サービス利用者が地元の自治体と交渉するためのアドバイスも行っている。

ちなみに、オランダ国内では、30前後の地方自治体が、SARのサービス利用者に利用料金の助成を行っている。

助成金の拠出に際しては、生活保護法、障害者法などが法律的根拠となって適用されたり、

医療費の一環として支払われるなど、各地方自治体によって形式は異なる。


利用者の6割は知的障害者で、残りは身体障害者。

利用者の9割以上は男性で、女性の利用者はほとんどいない。


サービス提供者の大半は看護師だが、ソーシャルワーカーやセラピストもいる。

サービス提供希望者が既婚者の場合、結婚相手の承諾が参加のために必要な条件になっている。

「セックスボランティア」(2004年:河合香織・新潮社)の中でも紹介され、話題になった。


2.社会性愛仲介所


性的接触のサポート、仲介を行っている。ホームページ上では精神障害者に関する記述があるが、

「障害者専用」というわけではないようだ。商業性も強い。

2009年時点、顧客として約2,000人、セックスワーカーとして約1,500人が登録しているという。

ホームページ⇒http://www.seb-ribw.nl/


3.フレックスゾーグ(Flekszorg)


日本における「障害者専用デリバリーヘルス」と同じような業態だと思われる。

ホームページ⇒http://www.flekszorg.nl/index.html



★参考文献:

地球人間模様@オランダ(新潟日報夕刊2009年11月21日)・・・共同通信外信部・船越美夏

「セックスボランティア」(2004年:河合香織・新潮社)




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