ホワイトハンズ大学 


 スウェーデンにおける「障害者の性」&「障害児への性教育」の歴史と現状

目次:

1.スウェーデンの障害者福祉の基本情報

2.スウェーデンにおける「障害者の性」情報

3.スウェーデンの性教育の歴史

4.参考文献


1.スウェーデンの障害者福祉の基本情報

スウェーデンの障害者福祉政策の目的は、以下の3つである。


 1.多様性を基本とした社会的協同

 2.すべての年齢層の障害者が、完全に社会参加できる社会建設

 3.障害を持った女性、男性の生活条件の平等化



スウェーデンにおける障害者福祉の関係法は、下記のとおりである。


 1.社会サービス法

 2.保健医療法

 3.LSS法(特定の機能障害者に対する援助・サービス法)

 4.LASS法(アシスタント補償法)


社会サービス法とは、児童福祉、母子福祉、生活保護、障害者福祉、高齢者福祉などにおける

基本法で、1982年に施行された。日本における社会保険制度とは異なり、税財源によって、

基礎的自治体であるコミューン(日本における市町村)が、「全ての住民」を対象として、

介護・福祉面での保障を行っている。


社会サービス法の原則は、「生活の自己決定」「選択の自由」「ノーマライゼーション」

「サービス計画立案への参加」などである。


LSS法とは、特定の重度障害者に対して、パーソナルアシスタントをはじめとした権利を与える法律で、

1994年に制定された。パーソナルアシスタントとは、本人の手足となる介助者で、

介助時間が週20時間以下の場合は市、20時間を超える場合は、

LASS法(アシスタント補償法)に基づいて社会保険庁によって決定される。



2.スウェーデンにおける「障害者の性」情報

スウェーデン性教育協会(RFSU)では、「障害者の性」のための補助具を開発し、販売している。


ストックホルムにあるカロリンスカ大学病院(ノーベル医学生理学賞を決定する機関でもある)では、

脊髄損傷者の性(避妊や妊娠、性機能のリハビリ、身体障害がセクシュアリティに及ぼす影響など)に関して、

障害者協会(HSO)と連携して、障害当事者を対象にした合宿や職員研修、

講習会による指導・教育が行われている。


3.スウェーデンの性教育の歴史

1899年

婦人科医によって、女性を対象にした初めての性教育がなされた。

1905年

国民学校(7歳から4年制)が義務教育化。これに伴い、貧しい子供に接している教師や、

性感染症の蔓延を危惧した医師から、性教育の必要性が教師から訴えられるようになる。

1933年

エリーセ・オットセン=イェンセン女史が労働組合や政治家、医師などと共同して、

RFSU(スウェーデン性教育協会)を設立。RFSUの活動目的は、以下の4点。

@性教育を1年生から受けられる権利を子どもに与える

A既婚・未婚に関わらず、全ての人が避妊具(避妊薬)を入手できるようにする

B合法的に中絶ができるようにする

Cホモセクシュアルを法的に認める

なおこの当時、中絶は全面的に禁止されており、同性愛に関しても「病気」とみなされ、法的に禁止されていた。

1938年

性暴力と医学的原因による中絶が、法律的に許可される。

1944年

学校での性教育が、初めて正式に許可される。

1945年

学校庁が、教師のための性教育の手引書を出版。

1956年

性教育が義務教育として位置づけられる。

1964年

ピルの使用が許可される。

1975年

妊娠18週目までは女性の自己決定によって中絶できる、新しい中絶法が制定される。

1995年

「同性婚(パートナーシップ)法」施行。

1999年

「買春禁止法」施行。「性を買う側」だけが罰せられるという、世界的に見ても珍しい法律。

●性的サービスを報酬と引き換えに受けたものは、、罰金及び最高六か月の禁固刑に処せられる

●未遂罪も刑罰の対象になり、同性愛買春も含まれる

●「性を売る側」=売春する側は、罰せられない


「児童ポルノ禁止法」施行。


4.参考文献

スウェーデンの性と性教育1990〜2000(2000年・十月舎)

ビヤネール多美子 著

評価:★★★☆☆


「障害者の性」「障害児の性教育」そのものに関する情報は少ないですが、

貴重な参考資料です。




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